子供っぽいキャラクターとは?
日本人約1000人へのアンケートから、子供っぽい印象のキャラクターに見られる全身比率と、髪型によって変わる「実際に見えている顔」の範囲を考えます。
前のページまでは画面の中の長方形の話でした。ここでは同じ物差し——縦横比——を、実在のキャラクターと人の顔に当ててみます。鍵になるのは「顔の長さをどこからどこまでで測るか」。髪型ひとつで、同じ顔でも見えている範囲は大きく変わるからです。
「子供っぽい」印象のキャラクター上位
回答者が子供っぽいと感じたキャラクターの上位10件と、全身の縦横比です。
- 1アンパンマン全身の縦横比 1.43
- 2キティ全身の縦横比 1.41
- 3野原しんのすけ全身の縦横比 1.35
- 4のび太全身の縦横比 1.58
- 5ピカチュウ全身の縦横比 0.94
- 6ミッキーマウス全身の縦横比 1.39
- 7ドラえもん全身の縦横比 1.45
- 8ポケモン全身の縦横比 0.94
- 9チョッパー全身の縦横比 1.10
- 10リラックマ全身の縦横比 1.20
上位に見られた特徴
- 全身の縦横比はおおむね0.94~1.58で、極端に細長いものが少ない。
- 動物など、人間以外のキャラクターが多い。
- 細長さは印象をつくる一要素であり、顔のパーツ、色、表情、物語上の性格も影響する。
比率はいずれも2を大きく下回り、頭身の低い、ずんぐりした輪郭が並びます。人間か動物かを問わず「細長くないこと」が共通項である点は、四角形のアンケートで見た「子供っぽい=正方形寄り」という結果とよく符合します。ただし、この一致は「正方形に近ければ必ず子供っぽい」という規則を意味しません。上位の中にも比率1.58ののび太のような例があり、形は多くの手がかりの一つにすぎません。それでも、四角形とキャラクターという別々の質問で同じ向きの傾向が出たことは、縦横比という物差しの手応えを示しています。
「実際に見えている顔」とは
ここでいう実際に見えている顔は、髪などに隠されておらず、目で確認できる顔の部分です。顔の縦の長さは、その見えている部分の最上端から顎先までとします。上端は一律に髪の生え際で決めるのではなく、髪型によって変わります。前髪が額を覆っている場合は、前髪の下に見えている顔の最上端が上端です。
顔の横は、外から見えている顔の左右で最も広い部分としてとらえます。模式図では、見えている顔を囲む範囲を破線で示しています。
前髪によって、見えている顔の範囲が変わる
次の三つは、顔の輪郭と目鼻の位置を同じにし、髪型だけを変えた模式図です。測るのは、髪に隠れた部分を含む本来の顔の長さではなく、髪などに隠されていない、実際に見えている顔の縦です。
1 / 3
前髪で額を覆う
前髪の下から顎先までが、実際に見えている顔の縦です。額が広く隠れるため、縦は短く見えます。
2 / 3
前髪を斜めに分ける
額の一部が見えるため、髪に隠されていない顔の最上端から顎先までが縦になります。前髪で覆う場合より長く見えます。
3 / 3
額を出す
額が広く見えるため、髪に隠されていない顔の最上端が上がり、顎先までの縦が最も長く見えます。
顔の印象アンケート
調査では、髪型や顔の見え方が異なる人物写真を並べ、「子供っぽい」「大人っぽい」という回答の割合を比較しました。人物写真は掲載せず、回答率を表で示します。
顔の印象アンケートの全データ(クリックで折りたたみ)
| 写真の並び | 回答対象 | 子供っぽい(%) | 大人っぽい(%) |
|---|---|---|---|
| 前髪を垂らす・細長くない側 | 篠田麻里子 | 2.7 | 3.4 |
| 西山茉希 | 1.5 | 1.3 | |
| きゃりーぱみゅぱみゅ | 28 | 0.4 | |
| 益若つばさ | 15.5 | 0.7 | |
| 宮崎あおい | 33.9 | 1.9 | |
| 前田敦子 | 15 | 1.1 | |
| 中間 | 押切もえ | 2.7 | 6.7 |
| 蛯原友里 | 1.6 | 5.4 | |
| 山田優 | 0.9 | 13.7 | |
| 北川景子 | 0.8 | 14.1 | |
| 板野友美 | 9.8 | 2.2 | |
| 大塚寧々 | 1.5 | 15.6 | |
| おでこを出す・細長い側 | 蒼井優 | 17 | 2.2 |
| 仲間由紀恵 | 0.7 | 25.0 | |
| 黒木メイサ | 0.7 | 37.7 | |
| 該当なし | 17.6 | 18.2 |
前髪だけで子供っぽさや大人っぽさが決まるわけではありません。輪郭、目、表情、化粧、撮影角度、照明なども同時に影響します。
まとめ
- 全身が極端に細長くないキャラクターは、子供っぽく見られる例が多い。
- 顔の縦は、髪などに隠されていない、実際に見えている顔の最上端から顎先までとして考える。
- 前髪が額を覆うと、実際に見えている顔の縦が短くなり、同じ顔でも見え方が変わる。
- 形や髪型は印象をつくる一要素であり、ほかの要因も合わせて読む必要がある。
形は入口にすぎませんが、測れる入口です。縦横比という一つの数字から始めて、髪型で変わる「見えている顔」まで来ました。ここで得た物差しは、キャラクターの印象を言葉で語り合うときの、共通の土台になります。