雪結晶グローバル分類 G2 の立体モデル
板状氷晶(G2a 角板氷晶・G2b 非六角板氷晶・G2c 六花氷晶)
グローバル分類(菊地ほか 2012;Kikuchi et al. 2013)の【G2:板状氷晶(Plane type ice crystal)】は、『G:初期結晶群』の中で柱状氷晶(G1)に次いで出現頻度の高い結晶です。「G2a:角板氷晶」は発生初期のものは表面にまったく模様のない無垢のものが多いのですが、成長し始めると骸晶構造を示すものが多くなります。「G2b:非六角板氷晶」は三角、四角、五角形および変形六角形の結晶で、ほとんどは無垢のものです。「G2c:六花氷晶」は板状結晶の一種ですが、こんなに小さい段階から立派に六花に成長するものがあるので、あえて別の小分類としました。平均的な大きさは数十 µm から 100 µm です。
板状氷晶と c軸。 板状の氷晶は六角形の薄い板で、c軸は板の面に垂直です。板状結晶群の角板(P1a、0.1〜1 mm)と形は同じですが、氷晶はそれよりずっと小さい数十 µm の段階の結晶で、雪の結晶の素にあたります。モデルは大きく拡大した模式図です。
骸晶化と無垢。 角板氷晶(G2a)は、発生直後は表面に模様のない無垢の板ですが、成長し始めると縁と稜だけが伸びて面の成長が取り残され、六角形の段が中心へ向かって落ち込む骸晶構造を示すものが多くなります。非六角板氷晶(G2b)はほとんどが無垢です。
画面をドラッグすると回転、ホイール(スマートフォンではピンチ)で拡大縮小できます。各モデルは論文の記載と代表写真をもとにした模式図で、厚みなどは見やすさのため誇張しています。
1. G2a:角板氷晶Plate ice crystal
六角形の薄い板の氷晶です。発生初期は表面に模様のない無垢の板ですが、成長し始めると骸晶構造を示すものが多くなります。「成長」スライダーを上げると、無垢の板から、縁を残して中央がくぼんだ骸晶構造の板へ変わります。
構造のポイント
- 正六角形の薄い板。c軸は板の面に垂直。
- 発生初期は無垢(表面に模様がない)。成長すると縁と稜だけが伸び、中央が段になってくぼむ骸晶構造に。
- 大きさは数十〜100 µm で、角板(P1a)よりずっと小さい。
2. G2b:非六角板氷晶Non-hexagonal ice crystal
三角、四角、五角形および変形六角形の板状の氷晶で、ほとんどは無垢のものです。下のボタンで 4 つの形を切り替えられます。どの形も薄い板で、c軸は面に垂直です。
構造のポイント
- 三角・四角・五角形・変形六角形の薄い板。ほとんどが無垢(骸晶構造を示さない)。
- 辺の向きは六方格子に沿っており、六角形の一部の辺が伸び縮みした形と考えられる。
- c軸は板の面に垂直で、板状氷晶(G2a)と同じ。
3. G2c:六花氷晶Dendrite ice crystal
板状結晶の一種ですが、数十 µm というごく小さい段階から立派に六花に成長するものがあるため、あえて別の小分類とされました。モデルは中心の小さな角板から 6 本の枝が伸びた小さな六花で、「成長」スライダーで枝の伸び方を変えられます。
構造のポイント
- 中心の小さな角板から 6 本の枝が 60° おきに伸びた、ごく小さな六花。
- 「成長」を 0 にすると角板氷晶(G2a)に近い形、上げると枝が伸びて六花になる。
- 大きさは数十〜100 µm で、板状結晶群の星六花(P3a、1〜3 mm)よりずっと小さい。
参考文献
- 菊地勝弘・亀田貴雄・樋口敬二・山下晃・雪結晶の新しい分類表を作る会メンバー(2012):中緯度と極域での観測に基づいた新しい雪結晶の分類―グローバル分類―.雪氷,74(3),223–241.(G 群と G2 の定義、表3、図1-3 の代表写真)
- Kikuchi, K., Kameda, T., Higuchi, K., Yamashita, A. and Working group members for new classification of snow crystals (2013): A global classification of snow crystals, ice crystals, and solid precipitation based on observations from middle latitudes and polar regions. Atmospheric Research, 132–133, 460–472.