雪結晶グローバル分類 G4 の立体モデル
多結晶氷晶(G4a 角板氷晶集合・G4b 複雑交差角板氷晶・G4c 不規則氷晶)
グローバル分類(菊地ほか 2012;Kikuchi et al. 2013)の【G4:多結晶氷晶(Polycrystalline type ice crystal)】は、『G:初期結晶群』の中で唯一の多結晶です。初期結晶は微小な凍結雲粒から面の成長が始まるので、柱状氷晶(G1)から多面体氷晶(G3)までは単結晶なのですが、この結晶だけは多結晶です。「G4a:角板氷晶集合」は角板が数個集合したもので、交差角板とは異なっています。「G4b:複雑交差角板氷晶」はさらに多くの角板が集合したものです。「G4c:不規則氷晶」は、正に不規則に氷晶が集まったものです。平均的な大きさは数十 µm から 100 µm です。
交差角板(CP4a)との違い。 交差角板は 2 枚の角板が共通の線(接合線)を持って交差した結晶ですが、角板氷晶集合(G4a)は数個の角板がさまざまな向きで集まったもので、共通の接合線を持ちません。モデルでは各結晶の c軸(板の面に垂直)を表示できるので、向きがそろっていないことが確認できます。
モデルの見方。 氷晶は数十 µm と小さいので、モデルは大きく拡大した模式図です。角板を種類ごとに色分けし、「分解」で 1 枚(1 個)ずつ引き離せます。
画面をドラッグすると回転、ホイール(スマートフォンではピンチ)で拡大縮小できます。各モデルは論文の記載と代表写真をもとにした模式図で、厚みなどは見やすさのため誇張しています。
1. G4a:角板氷晶集合Assemblage of hexagonal ice crystals
角板の氷晶が数個集合したものです。交差角板(CP4a)のように共通の接合線を持って交差しているのではなく、それぞれ別の向きの角板が寄り集まっています。モデルは大きさの違う角板 4 枚が向きを変えて集まったものです。
構造のポイント
- 数個の角板氷晶が集合した多結晶。角板ごとに c軸(面に垂直)の向きが違う。
- 共通の接合線を持たない点が交差角板(CP4a)との違い。
- 「分解」で 1 枚ずつに分かれる。大きさは数十〜100 µm。
2. G4b:複雑交差角板氷晶Complex crossed plates ice crystal
角板氷晶集合(G4a)よりもさらに多くの角板が集合したものです。モデルは大きさの違う角板 9 枚が、向きをばらばらにして互いに貫き合うように集まったものです。
構造のポイント
- 多数(モデルは 9 枚)の角板氷晶が複雑に集合した多結晶。
- 板どうしが交差して貫き合い、全体は立体的な塊のように見える。
- 「分解」でほぐすと、1 枚ずつはふつうの角板氷晶であることが分かる。
3. G4c:不規則氷晶Irregular ice crystal
正に不規則に氷晶が集まったものです。角板だけでなく、短い角柱や非六角形の板など、形も大きさも向きもばらばらな氷晶が寄り集まっています。モデルは角板・非六角板・短い角柱の計 8 個が不規則に集まったものです。
構造のポイント
- 形も大きさも向きもばらばらな氷晶(角板・非六角板・短い角柱)の集まり。
- 規則性がなく、G4a・G4b のようにどれかの形に代表させられないものがここに入る。
- 「分解」で個々の氷晶に分かれる。
参考文献
- 菊地勝弘・亀田貴雄・樋口敬二・山下晃・雪結晶の新しい分類表を作る会メンバー(2012):中緯度と極域での観測に基づいた新しい雪結晶の分類―グローバル分類―.雪氷,74(3),223–241.(G 群と G4 の定義、表3、図1-3 の代表写真)
- Kikuchi, K., Kameda, T., Higuchi, K., Yamashita, A. and Working group members for new classification of snow crystals (2013): A global classification of snow crystals, ice crystals, and solid precipitation based on observations from middle latitudes and polar regions. Atmospheric Research, 132–133, 460–472.