雪結晶グローバル分類 H2 の立体モデル

霙(H2a 霙)

グローバル分類(菊地ほか 2012;Kikuchi et al. 2013)の『H:その他の固体降水群(Other solid hydrometeor group)』は、中谷や Magono and Lee(1966)では考慮されていなかった、霰以外の凍雨・霙・雹を含めるために新分類で加えられた大分類です。【H2:霙(Sleet particle)】の小分類は「H2a:霙」の 1 つで、雨と雪が混在している状態を指します。その成因は、主に秋から冬は寒冷前線の通過に伴って寒気が入り込み、雨だったものが凍結し始めた状態と、雪が降ってくる途中で融解層(0 ℃層)を通過して融解し始めた状態があります。融解の程度によって分類することも考えられますが、観測現場で判断するには無理があります(Fujiyoshi 1986)。平均的な大きさは 1 mm から 10 mm です。

2 つの成因。 下のボタンで、「雨が凍り始めた霙」(寒冷前線の通過で寒気が入り、雨滴の中や表面に氷ができ始めた状態)と、「雪が融け始めた霙」(融解層を通過して雪片の枝が融け、水に覆われていく状態)を切り替えられます。どちらも氷と水が混在した状態です。

融解・凍結の程度。 「融け具合/凍り具合」スライダーで、雨(水)に近い状態から雪(氷)に近い状態までを連続的に変えられます。実際にはこの程度によって分類することはせず、雨と雪が混在していれば霙とします。モデルでは水の部分を半透明の青、氷の部分を白で表しています。

画面をドラッグすると回転、ホイール(スマートフォンではピンチ)で拡大縮小できます。モデルは論文の記載をもとにした模式図です。

1. H2a:霙Sleet particle

雨と雪が混在している状態の降水粒子です。雨だったものが凍結し始めたもの、雪が融解し始めたもののどちらも霙とされます。

水(雨)の部分 氷(雪)の部分
成因:
構造のポイント
  • 雨と雪(水と氷)が混在した状態。大きさは 1〜10 mm。
  • 「雨が凍り始めた」型:水滴の中に氷の芯や氷の膜ができ始める。
  • 「雪が融け始めた」型:雪片の枝が融けて短くなり、水に覆われていく。
  • 融解・凍結の程度で細かく分類することは、観測現場では難しいとされる。

参考文献

  • 菊地勝弘・亀田貴雄・樋口敬二・山下晃・雪結晶の新しい分類表を作る会メンバー(2012):中緯度と極域での観測に基づいた新しい雪結晶の分類―グローバル分類―.雪氷,74(3),223–241.(H 群と H2 の定義、表3)
  • Kikuchi, K., Kameda, T., Higuchi, K., Yamashita, A. and Working group members for new classification of snow crystals (2013): A global classification of snow crystals, ice crystals, and solid precipitation based on observations from middle latitudes and polar regions. Atmospheric Research, 132–133, 460–472.
  • Fujiyoshi, Y. (1986): Melting snowflakes. J. Atmos. Sci., 43, 307–311.